中〜重度の歯周病の場合、スケーリングやルートプレーニングのみでは充分な治療効果が得られていない部分やすでに失われてしまった歯槽骨の再生のため、必要に応じエムドゲイン法・GTR法などの歯周外科手術(歯周組織再生手術)を行います。外科手術後、約6ヵ月〜1年で歯槽骨が再生されます。
ここでは主にエムドゲイン法による歯周外科手術(歯周組織再生手術)について説明します。
エムドゲインとは、スウェーデンのビオラ社で開発された歯周組織再生用材料です。現在の科学水準に基づく高い安全性確保の下、幼弱ブタ歯胚組織から抽出精製したこの主成分(エナメルマトリックスデリバティブ)は、子供の頃、歯が生えてくる時に重要な働きをするタンパク質の一種です。2005年5月現在、世界39ヶ国で使用されています。
1.局所麻酔を行い歯肉を開きます。

2.歯石や不良肉芽組織を完全に除去します。

3.歯根表面を薬剤で表面処理後、滅菌生理食塩水で洗浄します。

4.露出した歯根面全体を完全に覆うようにエムドゲインゲルを塗布します。

5.歯肉を縫合します。

6.2週間後に抜糸を行い終了です。以後は定期的に経過観察しながら歯周組織の治癒を待ちます。
エムドゲインによる歯周病治療は失われてしまった歯周組織再生への非常に有効な手段ではありますが、残念ながらその再生効果は100%というわけではありません。症例にもよりますが60〜80%ぐらいを目安に考えておくべきでしょう。
エムドゲイン法に限らず歯周病治療の成功への条件として以下の項目が挙げられます。
(1)適切な診査・診断をおこないエムドゲイン法の適用が妥当かどうか見極めること。
(2)事前に充分なスケーリング(歯石除去)やルートプレーニング(深い部分の歯石除去)を行い、出来る限り歯肉の炎症を無くしておくこと。
(3)患者さんご自身でのプラークコントロール(歯ブラシなどでお口の中をきれいに保つこと)が充分に行われていること。
(4)咬合性外傷(歯ぎしりなどによるかみ合わせによる歯周組織の破壊)がある場合はかみ合わせの改善を行うこと。
(5)クラウン(かぶせ物)やインレー(詰め物)などが装着されている場合、クラウンなどの精度が高く、段差や隙間がなく、プラークコントロールが行いやすい形状になっていること。
(6)喫煙や糖尿病その他の歯周病の二次的な要因を極力減らすこと。
以上の条件を整えることがエムドゲインによる歯周組織再生効果をより確実なものにできることになります。
歯周外科処置による歯周組織再生治療法にはエムドゲイン法による歯周病治療の他にGTR法という外科処置法もあります。
宮本歯科では症例に応じ、最善の歯周病治療法を選択しています。